認識のさんぽ道

ルドルフ・シュタイナーの著作を楽しみ、 認識の小道散策へ出掛けます
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「愛国」のあり方とは?/司馬遼太郎さんに学ぶ

前に書いた、リービ英雄さんの「日本語を書く部屋」のなかで、
司馬遼太郎さんとの対談のエッセイがあり、
リービさんは司馬さんを「ディティールを愛する最大級の知性」と評していた
(ところで私はリービさんをカナダ人と書いていたのですが、間違いです!
 アメリカの方でしたごめんなさい!)

ディティールを愛し、しかも最大級の知性というのは面白いと思う
うまく言えないけど、それはなかなか難しいことではないだろうか

中途半端に知性があると、というか知性があるつもりの人は
ディティールを愛することをバカにするというか
そして、スパスパと割り切っていくことを
知性だと勘違いしがちではないだろうか
でも、本来は一つ一つのもの、場所、人、国、出来事の細部を
丁寧に見て、考えていくことこそが、知性で
だから知性の働きは、精神的な愛であると言えるだろう
ただ、あまり細かいところまで見ていくと
総括するのに大変になってくるから、
ざっと見ただけで知ったつもりになりたいのであって
ディティールそのものを愛せる状態で、
しかもその全体に対して知性を働かせることが出来るというのは
やっぱり知性が最大級でなければ出来ないことだ
すぐにわからなくなって、ぼ~っとしてしまう私としては
そんな方に、今いていただきたかったよ~!

なんて・・話がすごくなってしまったけど

先日夫の好きなブックオフに付き合って
100円コーナーで司馬遼太郎さんの本を見つけたので購入してみた


この国のかたち〈1〉 (文春文庫)この国のかたち〈1〉 (文春文庫)
(1993/09)
司馬 遼太郎

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家の片づけをしながら、
息抜きに座ったときに読んでみたら
面白く思ったところがあったのでメモしておこうっと

敗戦までを日本の近代とすれば、その出発点は明治初年の太政官政府にある。それを成立させたのはいうまでもなく明治維新なのだが、革命思想としては貧弱というほかない。

スローガンは、尊王攘夷でしかないのである。外圧に対するいわば悲鳴のようなものなので、フランス革命のように、人類のすべてに通ずる理想のようなものはない。
また人間の基本の課題もほとんど含まれていないのである。
革命が内蔵した思想や熱気、あるいはそれが掲げた理想は遺伝子のようなもので、結局はその後の歴史を規制したり、形付けたり、器の大小を決めたりした。
「異民族をうちはらえ、王を重んじよ」
などとは、まことに若衆組が棒を握って勇んでいるようで、威勢はいいが、近代という豊饒なものを興すテーゼにはならない。このことについては、大正末年から敗戦までの間に“近代”そのものが痩せおとろえてしまたことと思い合わせればいい。

幕末の攘夷書生や処士が鎖国の継続こそ勅諚(ちょくじょう)であるととなえて大暴れし、結果として太政官政が出できると、開国をしてしまった。当時、長州の書生の身から大官になった井上馨のもとに、古い知り合いがやってきて、
「御前、いつ攘夷はおとりやめという勅諚がでました」
というと、井上はそれを言うな、という表現で、噛み付くように、
「あのときは、ああでなきゃいかんかったのだ」
といったといわれる。
人間というのは、よほどな人でないかぎり、自分の村や生国(しょうごく・・今日で言えば母校やひいき球団もコレに入る)に、自己愛の拡大されたものとしての愛をもっている。
社会が広域化するにつれて、この土俗的な感情は、軽度の場合はユーモラスになる。しかし重度の場合は血なまぐさくて、みぐるしい。ついでながら、単なるナショナリズムは愛国という高度の倫理とは別のものである。
幕末の攘夷思想は、革命の実践という面では、ナショナリズムという、可燃性の高い土俗感情に火をつけて回ることだった。政略的には、それによって、“屈辱的”な開国をした幕府を揺さぶり、これを倒すのが目的であった。
ナショナリズムは、本来、静かに眠らせておくべきものなのである。わざわざこれに火をつけてまわるというのは、よほど高度の(あるいは高度に悪質な)政治意図から出る操作というべきで、歴史は、何度もこの手でゆさぶられると、一国一民族は遺滅してしまうという多くの例を遺している。


「可燃性の高い土俗感情」に火をつけてまわることで、
「高度に悪質な政治意図による操作」をしようとする
これは完全に今にあてはまるんじゃ?

尊王攘夷・・「異民族をうちはらえ、王を重んじよ」
これもなんと、現代日本に健在じゃないか?
バラバラに見える様々な動きに翻弄されてしまいがちだけど
本質は案外単純で、幼稚でさえある

「高度に悪質な政治意図」の常套手段め~
しかし、土俗的感情とは言っても、裏返せば
というか普通には、自分の子供を愛するとか
住んでいる地域を愛するという、大切な気持ちなのだから
そのエネルギーを(中央集権的に?)使って、
悪質な政治意図に沿うように転換し
うまく使ってやろう!というのはほんとに卑劣です

それって、みんなのためにと税金を集めて
集まったお金を、ずるい人たち(企業?)に流そうとするのに似ている

お金だけでなく個人的な「愛」も、集めて効率よく使う

いったいどんな「高度に悪質な政治意図」があるのか?
「尊王攘夷」の傾向が社会にあるときには
その影にある意図に敏感にならなくてはとあらためて思います

日本への愛を、叡智ある言葉に転換し、高度な倫理である「愛国」の
あるべき姿を示してくれた司馬さんに感謝です


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Comment

愛国
編集
hasutamaさん、こんばんは^^

司馬さんの本は好きですから、僕も読みました。ただ三島さんの
憂国に続いて、司馬さんの愛国は、この国のインテリゲンチャー
の良識に留まっている気もしないでもありません。

僕がリルケのマルテの手記のように、どうしようもない不安が存在その
ものを揺さぶっていく捉え方に真摯さを感じてしまいますのは、藝術より
だからでしょうか。

司馬さんは、政治的人間に焦点を当て続けましたけど
シュタイナーは、教育者と芸術家と農業者に人間存在の希望を
託したのではないのかと思うのです。ブラバツキーに妥協した
シュタイナーは、本当にやりたいことをする為に政治的な判断
でしただけのことですから。

今の日本人が成熟していくには、寧ろ宮沢賢治氏的な
理想が必要ではないのでしょうか。hasutamaさんの核心は
神智学徒だと思っているのは僕だけ?^^
2011年09月19日(Mon) 00:44
すー様♪
編集
とても素敵なコメント有難うございます♪

司馬さんや宮沢賢治さんのことを、あまりわかっていないので、すー様のコメントの意味を理解するための知識がとぼしいのが悲しいですがi-201、なんとなーくわかった範囲で読ませていただいても、そんなこと私に理解できると思って言って下さっているだけでも光栄というか、もったいない気がしてきますよi-179って、意味通じていますかしら?

う~んと、私は一人の人間の魂の道の自由さが好きで、共同体とかは苦手なほうで、理想をかかげられるとひいてしまいそうな感じです だからシュタイナーにしても神秘学については興味がありますが、人智学となると楽しく読んではいるものの、やっぱり少しひいてしまいます

でも・・生活と芸術を結びつけることが、素晴らしい社会へのきっかけになるというのは、素敵な発想ですね 社会というと魂の自由さの反対・・と思ってしまうけど、そこがうまく結びつくなら 個人、宇宙・・そんな区別さえ、飛び越えてしまう領域の広さからくみ取られる世界観が人間社会に反映されるとしたら素敵です

この世とあの世の区別があれば、政治と芸術は別のもですが、もし区別が無く交じり合っていたり、同時に存在しているとしたら、芸術が政治的で政治が芸術的であることもありかな?と そういう意味では、自然現象も政治的現象も同じように、その根源の原型物を見つけてみるというゲーテ的な発想で観察できたら面白いなと思っている私です 政治の世界では、どのような霊的存在が暗躍しているのかしら?みたいな i-179自称神秘学徒としての私は、社会現象も自分の内面の表れとしてとらえ、その意味を検証してみたいです

「マルテの手記」は大好きな本です! 芸術的なものは現象の世界と魂の世界、二つの世界にまたがっているからか?たとえ不安を表わしていても心が開放されます 二つの世界といってもそれは、人間の認識の不備によって分裂してしまっているのだとシュタイナーは考えていたようで、そこでシュタイナーは芸術を重視することで人間の認識範囲を広げ、それを社会活動に生かすことを考えたのだと思います

なんだかとりとめも無く書いてしまったような、でも同じことばかり繰り返しているような・・

すー様の奥深い言葉に引き寄せられて、楽しく考えてみることができました
いつも有難うございます(^^


2011年09月19日(Mon) 03:09
No title
編集
難しくてコメントできないよ~~~ぅ(笑)。

政治ってなんでしょうね…。
世の中全部のためにすることだと思うんだけれど、
いま政治は、明らかに一部の人間の利益や便宜のために動いているような
気がします。だんだんだんだん不気味になってきました。
一部の人間の政治的意図をすごく感じる…。
昨今の、サッカーワールドカップ共同開催や音楽、映画などの芸術・文化交流で
折角仲良くなった韓国との間に水を差し、また再び憎悪をぶつけ合うような
関係に戻したがっているように見える動きなど…。
それと原発、大連立、などは一見関係ないようだけれど、皆、同じ所で
つながっている…。
9月11日。新宿でのデモに参加したんですが、わたしのいた列の
はるか前の方であわただしい動きがあったのが、警察官が無線連絡しまくる様子や
走り回る様子、遠くのパトカーのサイレンの音などで伝わってきました。
たぶんそのとき、フランス人の男性と日本人女性のカップルが
逮捕された時だったんだと思う。在特会の口汚い煽りに、防護服の紛争に
身を包んだフランス人男性が、両手をひろげて反応した。
そしたら警官があっという間にそのフランス人男性を取り囲みねじふせて、
奥さんともども逮捕しちゃったんです。
在特会の『殺せ~!』などという口汚い煽りは放っておいて。
そんなことがあったあとに、たぶん私などが通過。反原発デモに対する煽りの汚さは
その時もひどく、わたし、思わず、「バカ~!」って怒鳴り返そうかと思っちゃいました。
そしたら、わたしも逮捕されていたかなあ!
なんで一方的に反原発のフランス人だけが逮捕されたんだろう…!
その回のデモは、集合場所のアルタ前が、急に都によって花壇整備のためと
称されて大きな囲いができちゃって広く使えなくなったり、
直前にコース変更が警察によって言い渡されたり、何やらきな臭かったのです。
明らかに、デモを分断しよう、大きく集まらせまいとする都の意志を感じました。

反原発脱原発の声が高まるその一方で、ある勢力が不気味に
水面下で動き出している気がします。

『ナショナリズムに火をつけて回る』…

こうした動きが、この国で活発化しないといいのですが…。
それが反原発の声の高まりと同時に、また強くなっていっているのが、大変に心配です。

2011年09月21日(Wed) 09:30
彼岸花さん ♪
編集
なんでしょう?
彼岸花さん・・そう口にし、心に思うだけで、何か暖かいものが流れ込んでくる気がしてi-80・・わけのわからないことの中で、出会いの喜びに恵まれることに不思議さを感じます

気がつくのは・・一人ひとりの体温、その心の熱が、遮ろうとするあらゆるものを突き抜けて放射する力強さで、そこに確かな希望がある!ということです

「丁寧に見る、考える」の力や、そこから生まれる利己的でない意思の力は、すごく強大なのだと、暗躍するものたちは思い知ることになるでしょう(??)いや、ハテナではなく本当に!

暴力的なものたちは焦っていると思います
思いがけず、みんなに見えてしまった醜い姿・・もう開き直って、なりふり構わず自分たちを守らなくてはいけなくなったのですね  i-278

日々与えられるテーマを、解いていくことで地に縛り付けられている醜いものたちを開放する・・それは、私たちにゆだねられた時代の使命なのかもしれません

名前を明かされることで、その力を失ってしまう悪魔・・たちの名前を一つずつ声にしていきましょう i-87

なんちゃってi-179
2011年09月21日(Wed) 13:57
No title
編集
hasutama さん。ありがとう。
私もね、そんなこと言っちゃ変だけれど、hasutama さんがなんだか妹みたいで。
だって、すごく考え深いのに、すっごく可愛らしいんだもの!^^
時々ね、くすくす笑いながら、読んじゃうの。
上の記事のお車の中のシーンなんかもね、勢い込んで脱原発デモのこととか
お話しになってらっしゃるのに、音楽始まったら、おとなしく聴き入って
らっしゃるお姿とか、思い浮かべると、可愛い人だなあ、って
思っちゃう(笑)。
私も、お知り合いになれてよかったなあ。
今じゃ、同志よねっ!v-398

そう。まごころで語り続けていきましょうね。頑張っちゃうぞ! e-289
2011年09月21日(Wed) 21:29
彼岸花さん♪
編集
わ~い、わ~い!
実物は・・子豚ちゃんぐらいには、かわいいかもしれないですけれど(??)
尊敬する彼岸花さんに近づけるよう、熱をいただきつつ頑張りますe-271
あねさんに、どこまでもついていきます~
2011年09月22日(Thu) 21:31












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プロフィール

hasutama

Author:hasutama
神秘学徒hasutamaです・・なんてほんとうは、ただのおばさんです
シュタイナーの著作を読むこと、愛犬をかわいがること、音楽にかかわること、お庭仕事、友人とカフェでおしゃべりすることなどを楽しんでいます

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